(メルマガ)裁定
- レポート
- 2011.06.15
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~成功の研究~
知って得する起業とビジネスのヒント
────────────────第47号
多様なビジネスの現場に深くかかわる公認
会計士・税理士の立場で、見たこと・得た
知識・感じたことを、特に起業を志す人や
スモールビジネスの経営者の成功につなが
るよう、楽しく・分かりやすくお届けしま
す。
なお、筆者執筆中の(株)ASC・中村会
計のHPのASCレポート
(http://www.asc-report.jp/)との関係
は次の通りです。
1)月末:ASCレポートの一部要約版
2)月中:メルマガのオリジナル
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目次
■今回のテーマ:裁定
■まとめ
■編集後記
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■裁定
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英語のままアービトラージと呼ばれること
があります。
簡単にいえば、ギャップや隙間を埋める(
そして利を得る)行為のこと。
大根の値段がA地域で100円、B地域で2
00円であれば、Aで買ってBで売れば10
0円儲かるわけです。
これを繰り返していくうちにAとBの間の価
格差は埋まっていき、いずれ等価になりま
す。
これが裁定。
ただ、AB間の輸送コストや、Bに持ち込む
時の税金等があると、その分だけ差が残り
ます。
逆に輸送などの取引コストがゼロに近い金
融商品であれば瞬時にこれが行われます。
したがって、円・ドル・ユーロ間で、ユー
ロが対ドルだけで長時間安く放置されてい
るようなことはありません。
そんなことがあれば、円をドルに替えて安
いユーロを大量に買って、それを円に替え
れば瞬間的に儲かるからです。
(差は一瞬にして埋められてしまいます)
この考え方をベースに最近の実ビジネスを
見てみるとどうか。
特筆すべきは、取引コストの1つである通
信・通話のコストが極端に下がっているこ
とでしょう。
あらゆるデータ、さらにはSkypeなどを使
えば通話まで、実質的にコストゼロで送り
合うことができます。
これにより、裁定の機会がその分広がって
いるはずなのです。
私の本業である会計税務の世界でも、これ
を狙って動きが始まっています。
たとえば、私どもが活動している東京では
、競争が激しく、会計税務サービスの価格
が全国的に見てもかなり安くなっています
。
一般的な会計税務顧問契約であれば、記帳
代行込みで、月2-3万の中で収まるのでは
ないかと思います。
実際、私どものサービスでも、月2万円代
前半で収まります。
一方で、たとえば長野県の場合、この倍近
くの5万円前後を提示されることも少なく
ないようです。
では、長野県のお客様の業務を東京からで
きないか?
できるわけです。
なぜなら今は、都内のお客様との間でさえ
、業務の中心はメールや電話、時折宅配便
。
税務署への申告は、電子申告という流れで
進んでいます。
数年に1回あるかないかの税務調査の時だ
けは現地に出向く必要がありますが、それ
以外は特段業務上問題ありません。
実際、私どもにも北海道と高松にお客様が
いらっしゃいますが、調査すらも実はたい
した問題でないことは下記の回の編集後記
に書いてますのでご覧ください。
http://archive.mag2.com/0001000369/20090824200000000.html
(要は旅費すらもたいして高くないので)
ただ、導入時だけは、できれば何度かお会
いしてお互いの信頼関係を確かめることが
最低限必要だと私は思っています。
そのハードルを下げるために、これを主に
狙っている同業の先生は、いかに遠隔でも
問題ないかのFAQを用意し、今のネット環
境ならお互い顔を見ながらの通信・通話も
ほとんどコストがかかりません、というよ
うなアピールをHPでされています。
皆さんの周りでも、このような考え方でビ
ジネスチャンスがないか探してみると良い
かもしれませんね。
考えてみれば、どんな商売も100円のも
のを200円で売って利ザヤを得る機会を
探しているわけで、広い意味では「裁定」
の機会を見つけて埋める競争をしている、
と言えるのかもしれません。
■まとめ
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「裁定」を意識して、自分の周りを見てみ
よう。
■編集後記
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(1)今回、裁定の簡単な意味を交えてお
話をしました。
これを広げると、200円で売れる商品α
があるとき、
各50円である○と△と□を組み合わせた
ものは、商品αと同じであることに人より
先に気づく、ということには価値があるこ
とになります。
その場合、実質ノーリスクで利ザヤが得ら
れることになります。
(裁定とは本来そういう意味である、と解
説をされることもあります。)
ただ、深入りすると長くなるので、今日は
ここまで。
(2)前回のPTの意味はわかりましたでし
ょうか?
PT=Permanent Traveler(終身旅行者)で
す。
どこの国の居住者にもならず、なので課税
もされず、放浪し続ける人という意味です。
件の船は、そのために使われることが多い
ということですが、色々な世界があるもの
ですね。
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