第233回 「幸福」を再定義する
- レポート
- 2024.11.30
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定着率の向上。
昨今の人材流動化は弊社も無縁ではなく、
真剣に取り組んでいます。
業界平均と比べて
残業時間は少ない。
給与も人間関係もまぁまぁ。
その衣食足りた先で人は何を求めるのか。
自分が独立した頃に比べると極めて贅沢な
話ですが、そんなことを考えているわけで
す。
経営理念には
従業員の「長期的幸福を追求する」と掲げ
てやってきましたが、
今になって
「じゃあ幸福ってなんだ?」
「幸福」を定義する、あるいはし直す必要
があるのではないか、という哲学的なとこ
ろに思考を拡げる事態になっています。
日々こんなことを考えているので、目の前
を通る情報が網に引っかかってきます。
先日は新聞の書評欄で良さそうな本を見つ
けました。
日本経済新聞10月20日朝刊
「リーダーの本棚」
ルミネ社長 表輝幸氏
以下抜粋です。
「『生きがいの探求』を読んだのは、駅弁
事業子会社の社長にグループ最年少で就任
した時でした。
会社は赤字で、現場からは「こんな安い給
与ではやってられない、とにかく上げてほ
しい」と言われる日々。
給与以外にどうやって彼らを幸せにできる
だろうかと悩んでいるうちに「人は何のた
めに生きるのか」「幸せとは何か」を考え
るようになりました。著者の言葉にヒント
を得ながら思考の輪郭をはっきりさせてい
く。
やはり、人は、他人の幸せをつくることで
自分も幸せを感じるのだと信じて疑わない
ようになりました。」
なに?
これかもしれない!
ぜひ参考にさせてもらおうと、古本しかな
いようだったので手配して読んでみました。
たしかに良いことが書いてありました。
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何をしても、興味を持てば幸福だ。
真の財産は体験、体得のみ。
真の「われ」は今の「われ」であって、
その前後のものは、ただその前行者、もし
くは後行者にすぎない。
自分がつまらなく思えたときは、非常に
進歩した時だ。
自分のごとく他人をあらしめようと思う
のは間違っている。
人間が苦労するとか、楽をするとかいう
ことは、すべて主観であって、決して絶対
値ではない。
よく吠える犬は臆病であり、白波の立つ
瀬は浅いに決まっている。たえず小言ばか
り言う人間は、気が小さいからである。
相互の雰囲気に温められ、なぐさめられ、
そして励まされ合いつつ暮らしていくこと
ほど、人生、幸福なことはない
民衆とはざっとこんなものであるという
ことをよくよく悟るがよい。彼らには、理
解も自覚もあるものではない。たんに、人
がほめればほめ、人が貶せばけなすにすぎ
ない。
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しかし古い。
とても今の時代に合わない下記のような記
述もありました。
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人間の結婚期というのは、自然的にみて
どうしても男なら二十歳前後、女なら十七、
八である。ひとによっては、もっと早くて
もかまわないと思う。
夫婦の場合には、戸主として一家を代表
するのは男子である。ゆえに、夫唱婦随で
なくてはならない。
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それだけでなく、特に気になったのは神・
霊・運命についての言及が妙に多いこと。
なんだか聖書を読んでいるみたいだな、と
思って調べてみたら、大本(教)と言われ
るものがあるらしく、著者は三代教主直日
氏の夫日出麿氏でした。
なるほど。そうだったか。
特定の宗教団体の書籍で組織の基本方針を
決定するのは避けた方が良いと考え、本書
は参考に留めることにしました。
こんな感じで、日々試行錯誤しております。
でも自分の中では少しずつ結論が出ている
んですけどね。。。
「幸福」って認められることではないか。
お客様と上司・部下、先輩同僚後輩に評価
され、親兄弟や子供に胸を張れたなら、そ
れが幸福と言えるのではないか。
逆に、いくらカネを稼いでも、たとえば親
兄弟や子供に顔向けできないなら、それは
幸福とは言えないのではないか。
どうでしょう。
■まとめ
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「幸福」を再定義すべく、日々試行錯誤し
ています。
■編集後記
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社員とは2~3カ月に1回、20分間、
1対1で話すことにしている、と書いたこ
とがあります。
それとは別に、ランチミーティングと称し
て昼食をともにする機会があるのですが、
その飲食店への道すがら、
「中村さん」
「うん?」
「中村さんて悩みってあるんですか?」
あるよ、と答えたら、
「え!本当ですか?」
と真顔で驚かれました。
上司に対して失礼な話ですよね。
まったく。
たとえばどんな悩みがあるんですか?
と聞くので、
君がちゃんと仕事できてるかな、とか。
と返しておきました。