(メルマガ)電子公告
- レポート
- 2025.01.15
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皆さん、まずは「公告」をご存じでしょう
か。
公告とは、
うちの会社は合併します、減資します、解
散します
といった重要事項を、広く一般に知らせる
もの。
そして、その公告は何によって行うか。
私共の会計事務所では1千社以上の会社設
立に関与してきましたが、その定款にはほ
ぼ100%こう書かれています。
「当会社の公告は官報に掲載してする。」
実際、東京商工リサーチの調査によれば、
公告方法を官報としている株式会社は全体
の約83.9%だそうです。
「官報」とは政府の機関紙。
会社の公告だけでなく、入札情報や国家試
験の合格者なども掲載されます。
https://www.cao.go.jp/others/soumu/kanpo/index.html?utm_source=chatgpt.com
ただこの公告、しっかり認識されている社
長はどの程度いらっしゃるか。
公告が必要なものの1つに毎年の決算公告
があるのですが、上記2022年の調査では、
官報で公告したのは全体の1.8%にすぎなか
ったとのこと。
これには、費用、手間、事実上罰則がない
などの理由があるようです。
たしかに官報に出すには事前に申込をして、
万円単位のコストの負担が必要。
官報以外の公告手段に日刊新聞があります
が、官報以上に負担がかかります。
そして、さらにそれ以外の選択肢としてあ
るのが電子公告です。
自社のウェブサイトなどを利用して公告を
行うことが認められていて、一見、手間も
コストもかからない感じがします。
そのため
ご自身で設立されてからご契約いただくお
客様、他の事務所さんから乗り換えて来られたお
客様の定款の中に、
「当会社の公告は電子公告により行う。
https://www.***.co.jp」
とたまに見ることがあります。
ただ、そのようなお客様も実際には電子公
告を実施された経験がない方がほとんど。
昨年後半、そのうちの一社が合併すること
になりましたが、けっこう大変でした。
登記ですから司法書士さんにお任せするの
ですが、通常の場合と違って司法書士さん
だけで完結しません。
なぜなら
(1)サイトUP作業をするのは会社
仕様に沿った公告文の適時アップロード
と一定期間の維持が必要
(2)電子公告調査機関の確認が必要
電子公告調査会社とはこの5社
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji81-05.html
どれかに頼んで、期間中、正しく公開さ
れていたことを証明してもらう必要があり
ます。
4営業日前には、根拠条文やら特定して、
URL・公告文を添えて申込みます。
公告期間中の状況が自動的に記録・報告
されます。
つまり、司法書士さんで完結しないどころ
か、会社の合併実務担当だけでも完結しな
いのです。
会社の経理法務系のカチカチした人が、よ
く言えば柔軟なWEBサイトの管理者を巻
き込んで対応する必要があるわけです。
適時に、定められたURLに、定められた
ファイル名でアップロードしてもらう。
そして、その後たとえば1カ月間途切れな
いよう、WEBサーバーの更新作業を控え、
トラブルが起こらないように維持してもら
う必要があります。
司法書士さんも官報公告の方が慣れている
ことが多く、いただく指示に後で訂正が入
ったりしますから、電子公告の会社が登記
等のために公告をするときは、官報公告以
上に余裕を持って対応すべきことは知って
おいた方が良さそうです。
(ちなみに決算の電子公告は、電子公告調
査機関の調査を受ける必要がありませんが、
官報公告の場合のように要旨ではなく、勘
定科目別の全文公告が必要です。)
今回は、株式会社の経営者・管理者が知っ
ていることが望ましい公告、官報公告、そ
して電子公告についてお知らせしました。
会社経営者や管理部門、会計事務所職員以
外の方にとっては、そんなこともあるんだ
な、という話だったとは思いますが。
■まとめ
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公告、官報公告、そして電子公告について
お知らせしました。
電子公告はイメージほど簡単・手軽ではあ
りません。
むしろ官報公告以上に慎重に準備が必要。
■編集後記
___________________
今年もスタートしましたね。
ちなみに当事務所の今年前半の大型イベン
トは横浜支店の移転です。
今月契約、6月頃に引越予定。
移転先は、KDX横浜みなとみらいタワー
(旧:三菱重工横浜ビル)
https://kenedix-pm.com/building/kanagawa/J251.html
私自身は本社にいるのでほとんど行かない
と思いますが、なんか良さそうだぞ、と今
から楽しみにしています。
インフルエンザが猛威を振るっているよう
です。
体調に気をつけて今年も頑張っていきまし
ょう。