第72回 嫌われることを恐れない
- レポート
- 2011.06.29
経営者やリーダーの条件として言われることがあります。
つい最近読んだ本『中国古典の知恵に学ぶ菜根譚』にも、まさにこう書かれていました。
たとえば
*取引先やメンバーに、できもしないことを約束して期待させる。
*頑張るメンバーの稼ぎで、頑張っていないメンバーを養う仲良しクラブを作ってしまう。
こうした八方美人リーダーは、取引先の信用をなくし、メンバー全体を路頭に迷わせてしまいます。
経営者は、
できないことを取引先に約束してはいけません。
取引先、さらには後始末をする社員にも大きな迷惑をかけるからです。
社員に問題があると思えば叱らなければなりません。
頑張っている社員も頑張らなくなってしまうからです。
昇給やボーナスなど、無理なら見送らなければなりません。
短期的に喜ばせても、それで会社が傾いたら最終的には社員のためにならないからです。
当たり前ですね。
ただ、いい人でいたい、と思うと難しいわけです。
以前、稲森和夫氏が京セラを創業した当時のお話を読みました。
頑張っている社員達から将来の昇給とボーナスを保証しろと直談判されたときの話です。
談判は稲森氏自宅で3日に及び、
最終的には、約束はできない。でも俺が裏切ったら刺し殺しても構わない、と言ったそうです。
最後まで納得しなかった社員も、それを聞いて、稲森氏の手を取って泣いたとのこと。
稲森氏は、わずか社員10人程度のときのその事件に、彼らの生活を背負う自分の責任を痛感したということです。
経営者やリーダーは、そうした責任を負って、時には相手が満足しない、あるいは嫌がる、それが分かっていても
言わなければならないことは言うし、やらなければならないことはやらなければならないのでしょう。
冒頭の「*」で始まる2行、
小集団のリーダーはもちろん、
取引先=海外、メンバー=国民、と置き換えれば、一国のリーダーにも当てはまりますね。
私は小集団のリーダーとして、これを肝に銘じて頑張ります。
*********************** まとめ *****************************
嫌われてることを恐れていてはリーダーにはなれない。
*********************** あとがき ***************************
経営者の覚悟といえば、一昨日お会いしたお客様。
20代前半で会社を設立して数年経ちますが、その方は以前こんなことをおっしゃっていました。
「彼ら(社員)を食わせないといけないから、○○をしないと。」
会話の中で何気なくおっしゃったのですが、当初は会社を立ち上げたばかりの若者という印象が強かったので少し驚くとともに、尊敬の念を抱いたことを覚えています。