第159回 起業・独立の期限
- レポート
- 2018.09.30
先日、高校・大学の友人が、独立すると言って訪ねてきました。
私と同学年ですから48。
大学は理系の学部だったので、独立といっても、私のような〇〇士として、ではありません。
彼曰く
今までもそうだし、今後も仕事を取る自信はあるとのこと。
これまでの人間関係もあるようですし、昔からなにごともきっちりとやって人としても申し分ありませんから、たぶん大丈夫でしょう。
じゃあ48歳という年齢はどうでしょうか?
人生100年時代とは言いますが、起業するにはここを超えると遅すぎる、というポイントはあるのでしょうか。
要は起業・独立するタイムリミットのようなものはあるのか?
幻冬舎の見城さんは、起業や独立は45歳までにしろ(それ以降はやめとけ)と言う趣旨のことを書かれていました。
じゃあ彼は止めた方が良いのか?
一方で有名な話として、
マクドナルドの創業者レイ・クロックは52歳、
カーネルサンダースは65歳、
で起業して成功しています。
そう考えれば彼もまだまだ大丈夫そうです。
じゃあ実際はどうなのでしょうか?
私見ですが起業のリミットは「業界による」あるいは「商品・サービスによる」だと思います。
B2Bで発注者・受注者の関係が明確にある業界は48歳という年齢はぎりぎり。
逆にB2Cの業界となるとその人次第。いくら年寄りでも構わない。
そして彼の業界はB2B。
よって「ぎりぎりだな」「これより後でなくて良かったな」と思いました。
というのも、この年齢。
たしかに、今の今は、お客様にいらっしゃる旧知の方は、決裁者だったりそれに近い立場の人だったりするので仕事が取りやすいわけです。
私もコンサル会社にいたとき、上司が各業界の偉い人となんでこんなに知り合いなんだろう、
と思っていましたが、若い時の知り合いが単に偉くなった、というのが実態だったようです。
私自身、今になってそれを実感することもありますから。
ただ、このような効果はいつまで続くかというと、今48だとしたら10年ちょっとでしょうか。
偉くなりすぎると現場を離れてしまったり、もっと経つと定年等で、そもそもいなくなってしまいます。
仮に仕事の関係で知り合った下の世代の方がお客様にいたとしても、発注者は自分より年上には言いつけにくいのか、同世代や下の世代に話を持っていきがちです。
たとえば、システムの受託開発をするお客様を何社か見てきましたが、社長が営業の中心をされている場合、50代後半くらいから急に仕事を取るのに苦労し始めるようでした。
それを防ぐには、早めに自分の下の世代に仕事を持ってこれる人・作れる人を確保しておくこと。
もしくはB2Cに近い商品やサービスに進出したり、投資をしたり、単純な発注・受注の関係に依存しない仕事を作ること。
今48であれば、できれば10年以内にそれを実現しなければいけません。
幸い件の彼は、仕事も持ってこれる若手メンバーも合流しそうなので、そのあたりのことは手当されているのかもしれません。
当面大丈夫そうですし、ぜひこうした視点で将来も見据えて頑張ってほしいと思っています。
*************************** まとめ ********************************
起業・独立のリミットは
「業界による」
あるいは「商品・サービスによる」
***************************あとがき*********************************
年齢のことを書きました。
48歳でぎりぎりなどと言っていますが、
昨日読んだ業界誌によると、税理士の平均年齢は68歳だそうです。
現役最高齢の数字ではなく、平均年齢がです。
私が18年前に独立したときは52歳か54歳のどっちかだったと思いますから、
多くの先生方がそのまま年を取って、若手が少ない、日本の最先端を行く超高齢化社会になっているようです。