(メルマガ)ファンド
- レポート
- 2016.07.15
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~成功の研究~
知って得する起業とビジネスのヒント
─────────────── 第169号
多様なビジネスの現場に深くかかわる公認
会計士・税理士の立場で、見たこと・得た
知識・感じたことを、特に起業を志す人や
スモールビジネスの経営者の成功につなが
るよう、楽しく・分かりやすくお届けしま
す。
なお、筆者執筆中の税理士法人ASC・
(株)エーエスシー・中村会計HPのA
SCレポート
(http://www.asc-report.jp/)との関係
は次の通りです。
1)月末:ASCレポートの一部要約版
2)月中:メルマガのオリジナル
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目次
■今回のテーマ:ファンド
■まとめ
■編集後記
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儲け話があるので、人からオカネを集めた
い。
出資してもらい、儲かったら分配する。
儲からなかったら泣いてもらう。
その場合、すぐに思いつくのは会社を作る
ことです。
会社に出資してもらい、儲かったら配当を
出す。
でも、会社にしたときに問題なのは、
まず会社で税金がかり、
そしてそれを配当するときにも(多少軽減
されるものの)税金がかかること。
そもそも単発だったり、せいぜい数年単位
の儲け話だと、会社を設立してもすぐに解
散することになって後が面倒くさい。
そこで、ファンドってどうなの?という話
になります。
ファンドの形式にはいくつかあるのですが
、その典型例が「匿名組合」。
一口馬主というものがありますね。
多くの人が少しずつ出して一頭の馬を買う
。
その馬を預けて走らせてもらう。
賞金が出れば組合員で山分けだし、走らな
ければ維持費だけがかかるわけですが、こ
の窓口となり、出資者に代わって馬を買っ
て走らせてくれるのが、愛馬会法人・クラ
ブ法人という会社です。
この関係の整理のために「匿名組合契約」
が結ばれます。
匿名組合の課税はパススルー。
つまり組合の段階では課税されずに、投資
家本人に直接課税されます。
そのため、会社のように、いったん会社で
課税された後に配当、ということがありま
せん。
そして、これはたまたま競馬ですが、別の
テーマであっても良いのです。
宝探しでも良いし、ヒット商品開発でも良
い。
(ちなみに、映画の●●制作委員会といの
は、これと少し似た「任意組合」というも
のを使っていることが多いです。)
ただ、この匿名組合をはじめとするファン
ド。
金融庁の管理下にあって、大変厳しい規制
がかかっています。
募集は第二種金融商品取引業登録をした会
社であることが原則で、ミニ証券会社を作
るのと同じくらい難しく、一般の事業会社
ではとてもできません。
また、小規模な場合の特例もあるのですが
、昨年夏頃から、事実上使えないくらいの
厳しい取扱をされるようになっています。
これを使ったファンドにだまされる人が多
く出て、社会問題化したのがきっかけのよ
うです。
新規に許可を受けることは難しく、さらに
は既に許可を受けていたファンドにも厳し
くチェックが始まっています。
私達の子会社も、この特例を使って金融庁
に許可をもらってやっていたソーラーをテ
ーマにしたファンドがあるのですが、最近
すみやかに解消するように指導されました
。
要件の一つにプロの投資家が参加している
こと、というのがあるのですが、そのプロ
投資家が適格性に欠けるから、とのこと。
金融に詳しい行政書士の先生に紹介しても
らったプロ投資家で、そこそこのコストを
払って組成したファンドなのに結局続けら
れなくなりました。
ちなみにその先生は金融庁のホームページ
でさらし者になっています。
(御本人は、処分ありきで自分の話は一切
聞いてくれない、と怒っていましたが。)
つまり、ちゃんと法令遵守を目指してやっ
ても難しいわけです。
ですから、自分のホームページでファンド
への出資を募る、というのは問題外で控え
ないといけません。
金融関係の違反は、いきなり後ろに手が回
る薬事法違反と同じように厳しく、知らな
かったでは済まされません。
アイデアがある。
出資を募る。
良いことなのですが、慎重に進める必要が
あります。
もし匿名組合を使って多くの人から募りた
ければ、第二種金融商品取引業者の支援を
受けるべきです。
一方、数人から出資を受けて事業を始める
のであれば、会社を設立してやる方が現実
的だと思います。
■まとめ
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ファンド形式でのオカネ集めは気軽にでき
ないので要注意!
■編集後記
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本文にも出てきた一口馬主。
先日、80万だかで出資したら、既にトータ
ル400万以上戻ってきている、という方にお
会いしました。
20人ほどで買った一頭だそうで、400万は維
持費を引いての1人当たりの金額で、その
お馬さんは1億以上の賞金を稼いでいるよ
うです。
小学生のお子さんには、あの馬が勝ったら
ほしいものを買ってやる、と言ってたら次
々に買うことなって、教育上変なことにな
っているとのこと。
(その子はお友達に、ほしいものがあった
らお父さんに馬を買ってもらえ、と言って
いるそうで。)
投資対効果が高い、かなりのレアケースの
ようですが、びっくりしました。
もう10年くらい前、一口馬主を熱心にやっ
ていた知人は全然でしたから。
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