(メルマガ)ネットの情報
- レポート
- 2018.10.15
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~成功の研究~
知って得する起業とビジネスのヒント
─────────────── 第223号
多様なビジネスの現場に深くかかわる公認
会計士・税理士の立場で、見たこと・得た
知識・感じたことを、特に起業を志す人や
スモールビジネスの経営者の成功につなが
るよう、楽しく・分かりやすくお届けしま
す。
なお、筆者執筆中の(税)ASCのHPの
ASCレポート
との関係は次の通りです。
1)月末:ASCレポートの一部要約版
2)月中:メルマガのオリジナル
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目次
■今回のテーマ:ネットの情報
■まとめ
■編集後記
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「申し訳ないけど、至急時間をとってほし
いとのことです。
できれば今日の午後一でどうかと。」
外出していた私に、事務所の社員から連絡
がありました。
お客様のやり手の営業マン甲さんで、たま
にうちにもお見えになります。
とはいえ、いつもは、お会いするずいぶん
前にアポを入れていただきますから、驚き
ました。
どうしたんだろう?
とりあえずお会いすることにしました。
少し切羽詰まった顔をされています。
「実は一昨日から個人で税務調査を受けて
いまして。。。」
とのこと。
伺ってみると、
・ある資格ビジネスと称して数年間経費を
つけ続けてきた。年200~300万。
その期間の売上はゼロ。
その赤字を申告して給与の源泉税の還付
を受けてきた
・20万以下の少額の他の所得を申告して
いなかった。
とのこと。
もともとネット等で見た限り大丈夫かなと
思って進めていたそうです。
たしかにネット等では、
(A)軽く副業をやって、そこに経費をた
くさんつけましょう。
そうすればサラリーマンでも給与から
引かれた税金が戻ってきます。
(B)サラリーマンは、20万以下の他の
所得は申告不要です。
(C)個人に税務調査が入ることはまずあ
りません。
と書いてあります。
しかしながら、
(A)は、完全にまちがい。
(B)は、基本的に正しいが例外がある。
(C)は、(A)をやるような人にとって
はまちがい。
です。
まず(A)
副業は基本「雑所得」。
そこで生じた赤字は給与所得等と通算でき
ません。
である以上、給与の税金を取り返すことは
できません。
ただし、副業でも真剣にやっていれば「事
業所得」になります。
その場合は、その赤字で給与からの税金を
取り返すことができます。
では「事業所得」になるのはどのような場
合か。
これは下記のようなものを総合して、社会
通念上事業といい得るか否かで判断すると
されています。
1営利性・有償性
2継続性・反復性
3自己の危険と計算における事業遂行性
4取精神的・肉体的労力の程度
5人的・物的設備
6取引の目的
7職歴・社会的地位・生活状況など
つまり、その事業に時間もオカネも設備も
投じておらず、リスクも取らず、生活の糧
にしようともしていない、、、となると、
「事業ではない」となるのです。
そのため、数年間経費を付けてきただけの
甲さんの年200~300万の経費。
多い少ないではなく、事業所得ではないの
で、給与の税金を取り返すためにはまった
く無意味だったことになります。
甲さんご自身、調査官に言われたので自分
でも真剣に検討したところ、たぶんそうだ
ろうと思った。
やっぱりそうでしたか、とのこと。
次に(B)
甲さんの給与収入は2千万を超えています
ので、
「サラリーマンは、20万以下の他の所得
は申告不要です。」
の対象外となって、これも申告をしなけれ
ばなりません。
甲さんも言われてから改めて調べたらそう
だとわかった、とのこと。
最後に(C)
特に還付申告をする人には税務調査は頻繁
におこなわれています。
私達会計事務所が関与していても調査が行
われていますから、住宅ローン控除や医療
費控除は良いとしても、還付申告はあまり
気軽にやらない方が良いと思います。
なお、さらに甲さんが心配していたのは、
調査の過程で嘘をついたと思われかねない
行動を取ってしまった。
「忘れた」と言ってしまったが、すぐに思
い直して翌日に資料を出した。
重加算税というものがあるようだがこれは
大丈夫だろうか?
ということでした。
重加算税がかかると、確かにペナルティが
重いのですが、
仮装・隠蔽があったことを要件としていま
す。
今回は大丈夫ではないか、
もし仮にそこを追及されても、、、とあれ
これお話ししました。
あぁなんかすっきりしました。
結構取られちゃうけど。
勉強不足でした。
今度からちゃんとやります。
とのことでした。
当たり前ですが、ネットには適当なことが
結構書いてあります。
たしかに何でもかんでも経費にして税金を
還付されました、という人がいるのは事実
でしょう。
その人はまだ調査を受けていないだけかも
しれませんし、本当は結構ちゃんとやって
いるのかもしれません。
数字を盛っているだけかもしれません。
つまり、よくわからない。
誰が書いているか分からないそのようなネ
ットの記事を真に受けて行動するのは危険
です。
参考にするのはかまいませんが、別のソー
スで裏を取るというか、別の視点でも検証
したり他の人(できれば専門家)の意見を
聞く。
当たり前のことですが、改めてそれが大事
だと感じました。
■まとめ
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ネットの話を真に受けて自分で還付申告。
結構危険です。
情報は複数のソースで検証しましょう。
■編集後記
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社長列伝(7)なんでもできる
https://archives.mag2.com/0001000369/20161031200000001.html
にご登場いただいた今年74才の社長。
2年前に伺った
>今後はアジアで飲食店もやりたい
> と思っています。
を実現されます。
11月にフィリピンで1号店をオープン!
今週伺った最新のお話では、それまでに自
ら励んだラーメン屋での修行、仕入先の開
拓等々、聞く話すべてびっくりでした。
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☆発行責任者:中村健一郎
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