(メルマガ)守秘義務の話
- レポート
- 2020.01.15
「主人の乗っている車は会社の所有か個人
の所有か教えてください。」
社長の奥様からお電話があって、あいさつ
もそこそこにご質問をいただきました。
唐突なこのお話に「おや」と思いました。
もちろん以前より面識はあるのですが、直
接お電話いただくことはあまりないためで
す。
ご夫婦の関係がうまくいっていないようだ
、ということを担当からも聞いていたため
、趣旨を伺うことに。
「先生は知らなくて良いと思います」との
こと。
ただ、そうもいきません。
会社(さらに言うと代表者)にお任せいた
だいている会計税務の情報を、その意図に
反して誰かに伝えることは守秘義務に反し
ます。
「では、社長に、奥様の質問にお答えして
良いか確認してからで良いですか」
と聞きました。
似たような例として、承認をいただいてか
ら銀行さん等に出すことはあるためです。
ただ、
「いえ。それは止めてください。」
よくよく聞いてみるとお二人は離婚に向け
て協議中。
ご主人である社長の財産を確認しているの
だが、どうも疑わしいので弁護士さんと確
認しているとのこと。
社長の給与振込口座は●●銀行のはずだが、
どの支店か教えてほしい、とも。
弁護士との相談の際、
もしかしたら会計事務所が教えてくれるか
も、と私にお電話をされたようです。
・イエス/ノーだけで良いので
・違っていたら沈黙してくれれば良いので
と言われても対処しかねます。
奥様には何の恨みもありませんが、やむを
得ません。
さらには、
・じゃあ弁護士さんが直接聞けば教えてく
れます?
とおっしゃるのですが、
弁護士先生は奥様の代理人ですから奥様に
お話しているのと同じ。
やはり無理です、すみません。
奥様は残念そうでしたが、
「やはりそうですよね」と。
弁護士さんも事前に
普通は答えることはないだろう、と言って
いたようで、
ただ、もしかしたら、、、とおかけになっ
たとのことでした。
これと似たような話は経営陣同士でもあり
ます。
会社で経営情報を社長と共有していた取締
役が、なぜか急に社長にCCも入れずメー
ルで、もしくはいつもはそんなことがない
のに携帯で「決算書を見せてくれ」と頼ん
でこられることがあります。
そんな場合も要注意。
実は社長とその役員が対立していた、とい
うこともあって、出したことが後で問題に
なったりします。
守秘義務というのは、このお仕事の大前提
ですが、それを維持するには多少の想像力
も必要です。
補足・・・・・・・・・・・・・・・・
なお、このメルマガは多くのお客様にもお
読みいただいています。
今回のようなことを書くと「これはうちの
家内のことですか?」とか、まったく無関
係なのに身に覚えのある社長さん達からの
緊急連絡がいくつも入りかねないので、あ
えてかなり古いエピソードを使っているこ
とをお断わりしておきます。
ご安心ください。
(万一お尋ねいただいても、必ず「違いま
す」と言います。)
■まとめ
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守秘義務を全うするにも多少の想像力が必
要
■編集後記
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正月早々体調を崩しました。
久しぶりでもあったので、体調を崩すと気
力も見事になくなるのだな、と再認識しま
した。
やるべきこと、前向きなこと、ひっくるめ
てとてもやる気が起こりません。
数日間で復帰しましたが、失ってその大切
さに気づく。
本当に大事なものにはこうしたものが多い
ようですが。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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