(メルマガ)現在の景況

  • レポート
  • 2020.08.15

ネットニュース、テレビや新聞報道ばかり
見ていると、さぞかし世の中小企業は大変
なことになっているのだろうと思われるか
もしれません。

実際どうなのか。

私達は多くの業界、地域のお客様にお任せ
いただいているので、ビッグデータには及
びませんがその景況感を別の角度から得る
ことができます。

それによると、確かに大変な業界がありま
す。

どんなに良い経営をしていても、その業界
に属していることで大変な目に遭っている
わけです。
〇飲食、イベント関連
その典型です。
かなり大変なことは間違いありません。

では他の業界はどうか
〇セミナー、コンサル
大変ではあるものの、リモートをベースに
した関与形態に移行中のようです。
お客様ではありませんが、お客様(セミナ
ー講師)の同業者は家に本格的なジャパネ
ットタカタのようなスタジオを作ってしま
ったそうです。
元通り、あるいはそこまでとはいかないも
のの、光明が見えている感じがします。

〇建設、施設系のメンテや設計・デザイン
一時止まっていたものの、ほぼ元通りのと
ころが多いようです。

〇IT
ITと言っても立ち位置は様々ですが、
ゲーム:好調
受託開発:現状維持
エンジニア派遣:少し減
新規大型プロジェクト:減
つまり、マスコミが言うほど単純な活況で
はありませんが、概ね好調なのはたしかの
ようです。

また、この業界の複数のお客様からオフィ
ス縮小の話を聞いており、既にわずかな面
積だけにした本社を残し、全員リモートに
した会社も既に出ています。

私達には、経理部門まで皆在宅の前提での
システム選定や運用手順の相談が来ていま
した。

〇不動産
意外かもしれませんが活況のようです。
外国人が、現物を見ないで買っていたよう
な超高級物件は売れていないそうですが、
逆に3~5千万の中古マンション、といっ
た実需物件は大変好調のようす。

この業界の社長によると、2,3月は在庫
や仕入を減らしていた同業者も買いに転じ
ていて、下がっていない。
ちょっと気持ち悪いくらい、とのことでし
た。

〇全般
コロナ対応の政策でオカネがジャブジャブ
供給されています。

本当に困っている企業にとってはそれでも
足りないのですが、
一方で、たいして困っていない企業、ある
いはコロナ前から調子が悪かった企業にと
っても適用されるので、その多くが臨時収
入になっています。

特に下記の2つ
(1)持続化給付金
前期比売上50%減の月があれば最大
200万がもらえる。
(2)特別融資
公庫の新型コロナウイルス感染症特別
貸付だと
前期比5%減の月があれば、
3年無利子・据置、最大15年が借り
られます。
運転資金と言うと、通常月商の3~6
倍が目安ですが、年商相当まで借りら
れることも。

前期比50%減と聞くと大変なことなので
すが、月の変動が大きい会社にとっては日
常だったりします。

たとえば、
昨年は5月納品で大きな案件があった。
今年は5月納品はなかったが、もっと大き
な6月納品の案件があった。

前期より好業績です。

でも5月だけ見ると100%減となって
(1)の200万がもらえます。
(ちなみに「最大200万」と書きました
が、実感として、ほとんどの会社が200
万をもらっています。)

当然(2)も適用されますから、
・要らないけど借りとくか、
・15年返済で良ければ不動産でも買っと
くか、
という思考にもなります。

一方、コロナとは無関係に業績の悪かった
会社も、いつもなら借りられない金額で借
りています。
むしろこちらは問題が大きいでしょう。

民間の金融機関でも同様の融資をしていて、
あるメガバンクの担当に聞いたら、
「コロナと関係ないでしょ」とか言わず、
基本的に断るな、と言われているとのこと。

貸倒れたら保証協会が保証してくれてはい
るものの、膨大な事務作業が発生するので、
それだけでも大変なこと。
数年後が心配だと言っていました。

コロナは、一面で深刻な問題を及ぼす一方
で、反面でバブルのような状況を引き起こ
しています。

いずれにしても、こんなことが長続きする
わけはありませんから、
政策頼みでない、強靭で健全な経営を心が
けていかないといけません。

また、生活者としても、無駄に恐れて経済
を止めるようなことのないように気をつけ
たいと思います。

■まとめ
___________________

コロナは、深刻な問題を及ぼす一方、一部
にバブルを引き起こしている。

■編集後記
___________________

半月前に都内から四国に嫁いだ女性社員。
そのまま完全在宅勤務で継続しています。

2月にこれを決めたときは、できるだろう
か?
とお互い悩みました。

なんとかやってみよう、となった直後にコ
ロナが蔓延。

おかげで、なのか、せいなのか、全社的に
無理やり在宅が始まり、環境整備も進み、
実務的な支障はありません。

ただ、完全在宅は彼女だけ。
コミュニケーションをとり、孤立しないよ
うに、と気をつけています。

私が頻繁に直接テレビ会議をつないだりす
るとそれも負担でしょうから、そうならな
いようにも配慮しつつ。