第39回 ワタミの総会に行ってきました。

  • レポート
  • 2008.07.01

先の土曜日、東証一部上場の株式会社ワタミの株主総会に家族で行ってきました。 (著書を読んだりTVで拝見するだけですが、渡邊美樹社長の高い志のある考え方が個人的に好きなので小さな単位ながら株主になっております。)

朝の11時から開場して、グループ会社のお弁当販売やら各種イベントがあった後、総会は2時に始まりました。

冒頭、社長の「徹底的に質問に答えます。だからこの会場も夜の11時まで借りています。」というお話から始まりました。 ただ、それまでまったく議決ができないといけないために工夫がされていて、議決前の質疑応答は議案に関連したことを、採決後・活動紹介ビデオ上映の後は、そうでないお話もどうぞ、ということでした。

最初の質疑応答の時間になりました。 議案に関連したご質問を、、、と言われているのに、 ・ ○○店の店長の態度が悪い
・ IR室長が電話に出なかった
・ いつも利用していた○○店がなくなってしまったのはどういうことか
という類の質問が続いた後、議決の直前に質問に立ったお二方が、監査役のあり方についての鋭い質問をされました。

同社の監査役は3名全員社外監査役で、1名が常勤、他2名が非常勤、前年度は総額400万円を報酬として支払っています。また、その内訳は取引先の社長や取引先銀行出身者で、今回その選任も議案に入っていました。 (なお、常勤の社外監査役、というのは違和感がありますが、法的には問題がないようです)

お一人目 ・監査役報酬が少ないのではないか?他社と比べて著しく低く、これで適切な監査をしてもらえるのか?

お二人目
・事業の共通性や事業経験がある等の理由で取引先の社長や役員を社外取締役にお願いする例はよくあるが、監査役としては珍しいと思う。取締役と監査役の明確な区分ができていないのではないかと心配しているので趣旨を教えてほしい。
・ 調べたところ監査役の取締役会出席率が低いようだが、ちゃんとお願いしているのか?

私も招集通知の資料を見て似たような感覚を得ていたところだったので、興味深く聞きました。 それに対して社長は、取引先にお願いしているから余分なコストがかかっていない、といったことを軽妙なトークで答え、会場も好意的に受け止めていました。 ただ、社長ご自身、監査役の取締役会出席義務を認識していなかったりして、監査役について、期待や理解をあまりされていないのではないかな、とも感じました。

実は、監査役に期待しない、という結論自体は悪くはないと思います。 なぜなら、監査役の人数やできることは限られているし、それにお任せしていれば大丈夫、と言えるほど会社や世の中は単純ではないからです。 (私自身、複数の会社の監査役に就任しております。ほとんどが上場準備企業ということもあって、上場企業以上の厳格さで毎月の取締役会出席を求められ、出席していますが、残念ながら会社で行われていることのすべてを把握・理解することはできません。)

ただ、今回少し残念だったのは、いつもの渡邊社長であれば、監査役制度を徹底的に研究して、結果として監査役は期待するに及ばないので、あるいはそれでは不十分なので別の手段を講じており、監査役をこのような扱いにしています、という、お答えをするのだと思うのですが、今回は全体として「(あまり重要性を感じたことがないので)なんとなくこうしています」、と言われている気がした点でした。(渡邊社長の意図は違ったのかもしれませんが、私自身はそのような印象を受けました)

とはいえ、気になったのはこのくらいで、それ以外は、志の高い社長の下、ますます発展しそうな企業グループの勢いと情熱を感じ、私自身も同じような情熱と気概をもって自分の時間を送りたい、と思えるような良い影響を受けて帰ってきました。

まったく別の業界ではありますが、気持ちの持ち方などの良い点を取り入れて、私達もがんばっていきたいと思います。

(補足) ワタミ株式会社の株式は、代表者が個人的に保有しているものです。また、上記の内容は、同社株式の株価上昇を予想したり、その購入を勧める意図はありません。