第46回 なんと相手は・・・

  • レポート
  • 2009.04.27

「公認会計士の試験て難しいんですよね。」

仕事の合間の雑談の中などで、こうしたお尋ねをたまにいただきます。
こうした問いに対して私は、
「ええまぁ。そう言われてはいます。」という若干あいまいな答え方をしています。

なぜなら、受験生だったときの衝撃的な記憶が脳裏をよぎるからです。
その記憶とは、、、

話は20年近く前にさかのぼります。
当時大学4年生だった私は、夏に受けた試験に失敗してうなだれていたのですが、それを見た友人達が、遊びに誘い出してくれました。
カラオケやらボーリング大会を含む「中村を励ます会」のようなものを企画してくれたのです。

行くと、そこにはかわいい女の子も来ていました。
みんなでご飯を食べながら、隣に座ったその子が聞いてきます。

冒頭にあるように
「公認会計士の試験て難しいんでしょ?」

試験に失敗したばかりの私は、得意になっていかに難しいかを力説しました。
そのころの合格率を元に、100人のうち7人しか受からない大変な試験なんだ、とかなんとか言ったわけです
その子は「大変なんだね。」と言ってくれたように記憶しています。
私は心の中で、その通りでございますと言い、ある種の満足感のようなものを感じながら帰ってきました。

しかしその数日後、会を企画してくれた友人が教えてくれました。
「彼女は女子アナに内定しているんだよ。何千人に1人しか受からないらしいからすごいよな。」

なんと、私が力説していた相手はフジテレビの女子アナ内定者だったのです。
違っているかもしれませんが、4千人に1人とか聞いた気がします。
血の気が引いた気がしました。
100人に7人も受かる試験に失敗した私が、4千人に1人しか受からない試験の合格者に何を言っていたのか。

恥ずかしい限りだな、と思いました。
それっきり会うことはありませんでしたが、確かに翌年4月以降、彼女は「笑っていいとも」でテレフォンアナウンサーとして出てきたり、お天気をやったりしていました。

受験勉強に戻った私はそれを期に、資格試験というものは、難関とは言っても現実的な競争率なんだな、と思うようになりました。
その後確かに合格しましたし、ある意味がんばればなんとかなる程度なわけです。

「ええまぁ。そう言われてはいます。」
この答えは、上記のような複雑な記憶の中から出てくるのです。