(メルマガ)カネ余り
- レポート
- 2021.02.15
私たちは会計事務所として、毎月50件以上、
多い月には100件を超える会社の決算作業に
当たっています。
見ていると、その時々の傾向が分かること
があります。
ここ最近の決算の傾向は?
「例年以上にオカネを持っている」です。
売上、利益は例年並みか少し悪いくらい。
それでも、預金を2倍、3倍持っている。
そのような会社が珍しくありません。
コロナ関連の優遇策は浸透していて、
助成金、給付金、協力金、特別融資
多くのルートでオカネが供給されています。
たとえば最近の特別融資、
3年間金利ゼロ、最長10年、5年間据え
置きOK、
かつてない好条件です。
要件も緩やかで、実行もかなりスピーディ。
先日は中堅行の担当が挨拶に来られ、
会ったその日に税理士法人でも1億どうで
すか?
と言ってきました。
別のメガバンクの担当によると、企業は無
利子で借りるけれども、国から銀行には〇
%が支払われているそうです。
〇%の具体的な数値を聞きましたが、最近
の企業融資では見ないくらいの、銀行にと
ってはまぁまぁの良いレートでした。
つまり、銀行さんも頑張って貸すぞ、とい
う流れになっているわけです。
コロナ当初から政府は「徹底的に支援する」
と言っていました。
その通り実行されているようで、おかげで
潰れる会社、職を失う人、が抑えられてい
るのは確かだと思います。
直撃を受ける飲食業界等からすると、あま
り困っていないところにまでオカネが行っ
ていておかしい、となるのだと思いますが、
表題の通り、カネ余りの状況は各所で発生
しています。
ですからこの経済状況下、株式や不動産は
上がり続け、不動産事業者さんは、売れる
のは良いけど仕入が大変と言っています。
うちの事務所(港区芝浦)周辺の中古マン
ションの相場も、以前は、平米100万に
届くのは一部の高級なものに限られていま
した。
芝浦は、港区の中では価格が低い方なので
すが、それが今や平米120万も珍しくあ
りません。
平米120万だと80平米台で1億に届き
ますから、感覚的に言えば十分に高いので
すが、これをどう考えるか。
この部屋を貸せば月30~40万でしょう
から年360~480万、
÷1億=年利回り3.6~4.8%
金利ゼロ近くで調達できる人にとってみれ
ば高くはなく、海外から見ると日本の不動
産が割安というのはこの考え方によってい
ます。
今回は、多くの事業者がオカネを持って預
金を積み上げている状況が実際にあること
をお伝えしました。
おかしい、とか、けしからん、とか言った
ところで意味がありません。
この事実をどう理解し、活かすか、だと思
います。
■まとめ
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各社決算を見てもカネ余りの傾向が強い。
良いとか悪いとかを言うのではなく、
どう理解し、活かすか、を考えるべき。
■編集後記
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前回、採用でもやりますか、と締めました
が、昨年同様リアルでの会社説明会ができ
ないため、今年も動画を用意し、公開を始
めました。
来たれ若人!