第201回 伝える工夫
- レポート
- 2022.03.31
こんなタイトルの本がありそうですが、主
にメールで伝える工夫について。
私たちの仕事は放っておくと、専門用語や
数字が多くなりがちで、そのままご連絡す
ると、お客様に負担を感じさせてしまいま
す。
読む気にさせ、ご理解いただくにはやはり
工夫が必要。
今回は私が事務所内で推奨していることを
参考までにお知らせしようと思います。
ただ、「工夫」といってすごいノウハウが
あるかと言ったらまったくそんなことはな
く、下記だけです。
事務所内での発信形式そのままに示します。
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文章は簡潔に書くよう心がけましょう
「簡潔」≒「より少ない文字数」+「箇条
書き」だと思います。
時折、お客様へ発信する前のメール文を添
削しますが、一文が長く、結論がわかりに
くいことが多い。
お詫びを丁寧に書くなら、長く言葉を尽く
すことに多少の意味はありますが、そうで
ない場合は簡潔にすべきです。
時に自分が書いた文章を少し置いて、意味
が変わらないギリギリまで文字を削ったり
言い換えてみたらどうでしょう。
短い言葉でスパッと言い切る方が格好良い
し、お客様にも伝わります。
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要は、シンプル。
シンプルとは、少ない文字数+箇条書き
それだけ。
では、少ない文字数にするにはどうするか。
技術的に言えば
・わかりきったことは書かない
例:先日いただいたメールにお返事させ
ていただきました。
→削除:このメールの存在そのものだか
ら
・同じ言葉の登場を避ける。
頻出単語・文は、記号で置き換える
・同じ内容は短い言葉で
例:令和4年3月31日→R4.3末
・無駄に丁寧な言葉は使わない。
例:致します、させていただきます
→します。
・無駄に精度を求めない。
例:3,214,321円→約320万
ということになりますが、
もちろん本質を理解している必要がありま
す。
本質=残すべきもの、ですから。
以下に具体例を示します。
例1は社内での、例2はお客様とのやり取
りです。
例1:私宛の日程調整連絡- - - -
【原文】
中村さん、お疲れ様です。
2月2日(水)設立法人の◎◎を1件お願い
したいのですが、 中村さんのスケジュール
が空いている来週の1月31日(月)11時
以降で日程調整させて頂いてもよろしいで
しょうか?
オンラインPC準備等は私の方でさせて頂き
ます。
【くふうの方向性】
本質は◎◎のための日程調整
・以下は書かなくても分かる
中村さんのスケジュールが空いている、
来週の1月、日程調整
・以下は参考情報にすぎない
2月2日(水)設立法人の、1件、オンラ
インPC準備等を発信者がする旨
【改訂案】
中村さん、お疲れ様です。
◎◎をお願いしたいのですが、 31日(月)
11時以降でよろしいでしょうか?
例2:お客様からのお尋ねへの回答- -
期末近くの◎◎への設備投資が経費になる
かについて
【原文】
◎◎の件、確認させていただきました。
1)耐用年数について
器具備品ですので、定率法の3年での償却と
なります。
7月から導入されるとのことですので2か月
で、約11%が今期の償却費となります。
◎◎が300万円の場合、今期の償却額は333,
500円です。
2)即時償却について
取得前に経済産業局に申請し、認定が受け
られると即時償却することができます。
この場合、取得額全額を今期の費用として
計上することができます。
◎◎が300万円、税率が30%と仮定しますと、
90万円の節税です。
ご要望がございましたら、詳細をお伝えさ
せていただきます。
(本件は成功報酬として認定を受けられた
場合のみ、△万円をご請求させていただき
ます。)
取得日より前に申請する必要がありますの
で、
お忙しいところ恐縮ですが、6/10を目途に
ご意向をお知らせいただけますと幸いです。
【くふうの方向性】
箇条書きで工夫はされているものの、その
間を文字で埋めていて長い。
お客様が興味もなく、理解しない可能性が
ある、器具備品、定率法、即時償却といっ
た専門用語を使っている。
お客様は今期経費になるかが知りたいので、
箇条書きの切り口は耐用年数、即時償却、
でない方が良いかもしれない。
円単位までの金額は不要。
【改訂案】
◎◎は3年償却で、7月に300万で買うと今期
の費用は
1)通常なら33万
ただし、
2)経済産業局の認定を受けると全額300万
です。
税金(税率30%と仮定)は、1)で10万減、
2)なら90万減。
なお、2)は成功報酬で△万の手数料がか
かります。
取得日前の申請が必要なので、6/10までに
ご意向お知らせいただけますでしょうか。
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以上、文章の書き方は人それぞれ好みもあ
りますから、あくまでも1つの参考として
いただけたら、と思います。
ちなみにこれに関連して、先日読んだ『ま
だ誰も見たことのない「未来」の話をしよ
う』
https://www.amazon.co.jp/dp/4815612226
の中で、台湾のデジタル担当大臣オードリ
ー・タン氏は次のようなことを書かれてい
ました。
台湾でもフェイクニュースに対抗して、政
府が真実を、国民にわかりやすく伝える必
要があるのですが、その伝える工夫が、「
2・2・2の原則」+ユーモアだそうです。
以下、引用します。
「世の中に誤った情報が出回りつつある場
合、それに対応する<即時対策チーム>が、
60分以内にカウンターとして正しい情報を
発信します。
その情報発信にはわかりやすさを担保する
ための「2・2・2の原則」が適用されて
いて、見出しは20文字以内、写真・図版は2
点、本文は200文字でコンテンツを作りまし
ょうというガイドラインがあります。
でも、私は「正しい情報」というだけでは、
多くの人は見てくれないかもしれないと思
っているのです。
さらに、コンテンツにはユーモアがなくて
はいけません。
ユーモアは怒りと同じくらい拡散されやす
く、かつ、怒りより共有する満足度が高い
からです。」
以上、こちらも併せてご参考ください。
■まとめ
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私の伝える工夫:
メールの場合は、
少ない文字数+箇条書き
■編集後記
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たまに麻布台のロシア大使館前を車で通り
ます。
いつもはその前の道路に3~4名の警察官
が出て、中が見えない2~3台の大型バス
タイプの警察車両が道路を占有しながら警
備しています。
それですら少し異様な雰囲気なのですが、
先週末通った時は、警察官・警察車両共に
3倍以上の厳戒体制になっていました。