第231回 別班
- レポート
- 2024.09.30
こちらは、隔週に配信しているメールマガジン「成功の研究」のバックナンバーを収録しているものです。配信(無料)を受ける場合は下記で登録いただくことができます
https://www.mag2.com/m/0001000369
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回は力を抜いて、編集後記ともどもエン
ターテインメント回としてお届けします。
まずは、興味深いことがあったのでご報告
です。
昨年、妻が大絶賛するので「VIVANT」とい
うTBSのドラマを見ました。
https://www.tbs.co.jp/VIVANT_tbs/
自衛隊に「別班」という組織があるとされ、
そこに所属する主人公の活躍を描いた大作。
「別班」は、国や自衛隊内部でもごく限ら
れた人しかその存在を知らない国際スパイ
組織という設定なのですが、実際にはそん
なものはないのだと思っていました。
しかし今回読んだ本に、それが出てきまし
た。
「情報なき国家の悲劇 大本営参謀の情報戦
記」(堀栄三著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4167274027
平成元年初版の本ですが、
帯に「チャットGPT時代にこそ・・・」とう
まい売り方がされていて、乗せられて買っ
たものです。
著者は、元大本営の情報参謀、戦中は南方
の戦地から、現地の日本軍は実は苦戦して
いると送り続け、本国で握りつぶされてい
たことでも有名な人です。
敵の戦艦、空母を何隻も撃沈したという第
一線部隊からの景気良い報告をうのみにし
ている大本営に、
・実際は、攻撃部隊が帰ってこないことも
多く、誰も正確に確認できていない
・敵国の報道や無線傍受、捕虜の話を総合
する限り敵軍は健在だ
等と報告していたわけですが、握りつぶさ
れ、大本営発表が続けられていた。
現地部隊の前にはその後何回も、もはやい
ないはずの大規模な敵軍が現れ、日本軍は
やられ続けました。
ちなみに握りつぶしていたとされるのは、
こちらも有名な大本営参謀、瀬島龍三氏で、
このメルマガにも登場したことがあります。
「瀬島龍三方式」
https://www.ascinc.co.jp/report/2237/
この堀氏。
戦後の自衛隊創設にかかわった人でもあり
ます。
上記著書を読んでいると、昭和29年に自衛
隊に参加した当時のことを回想していまし
た。
自衛隊の「陸幕第二部には・・・他に遅ま
きながら、第二部別班と称する昔の特情部
が出来て、別班と略称して、昔のように通
信諜報も始めだした。」とあります。
なんだ「別班」は実在したのか。と思い、
少しネット検索してみました。
すると平成25年の衆議院国会質問が出てき
ました。まさに、別班の存在を問いただす
質問です。
これに対して当時の安倍総理はどう答弁し
たのか。
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b185106.htm
「衆議院議員鈴木貴子君提出陸上幕僚監部
運用支援・情報部別班(別班)に関する質
問に対する答弁書」
読んで驚きました。
「「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」
なる組織については(中略)、これまで自
衛隊に存在したことはなく、現在も存在し
ていない」
え?
自衛隊創設にかかわった人の回想に自然に
出てくる組織なのに、そんなものは存在し
たことすらないと全否定していました。
「名前が酷似した組織は存在したけれども
・・・」を言外に秘めた詭弁なのかもしれ
ませんが、これ自体ドラマのようです。
特にこの後深掘りしてませんが、ただこん
な感じで一般国民が知らないことは、今の
日本でも少なからずありそうだと思いまし
た。
今回は、大人気ドラマに出てきた「別班」
は実在した。
なのに国は存在そのものを否定している。
という興味深いお話をご紹介しました。
■まとめ
___________________
一般国民が知らないことは、今の日本でも
少なからずありそうです。
■編集後記
___________________
子供が中高生なので比較的最近の楽曲にも
触れる機会があります。
でもこの年で良いな、と思うのは、何を歌
っているのか理解できるもの。
あいみょん、official髭男dismなどは中高
年にも人気と言いますが、同感です。
YouTubeでもたまに見ますが、関連動画では
official髭男dismを女性が歌ってました。
https://www.youtube.com/shorts/IteNcMeoSe8
上手だな、と思ってよく見たら韓国人女性
のようです。
日本語の歌詞なのに自然に歌っていました。
うちの娘はTWICEやNiziUが大好きですし、
若者の間では、かつて強固に存在した日韓
の壁のような意識がないのかもしれません。