第60回 日本脱出

  • レポート
  • 2010.06.30

第50回「死ぬ気で・・・」で登場いただいたベトナム人の社長。

それをご覧いただくとおり、まさに命からがらベトナムを脱出して日本に流れ着き、日本で経営者としてこれまでがんばって来られました。
(ご覧になっていない方は是非ご一読ください。びっくりします。)

先日その社長から、日本でのビジネスを見限って、ベトナムを中心にビジネスを展開することにした旨お話をいただきました。

社長には多くのご兄弟がいるのですが、そのうち何人かがベトナムにいます。
以前(といってもわずか数年前まで)は、彼らが日本に来たときにはすべてお兄さんである社長が食事をご馳走してあげていたそうです。
そして、そのたびに日本の中古の家電製品等を喜んで持ち帰って行っていたとのこと。

しかし、昨年初に来た時は状況が一変していたそうです。
弟さん達は中古品には見向きもせず、銀座のブランドショップで高級品を何点も購入し、お兄さんにも豪華な食事をご馳走してくたとのこと。

さらには、お兄さんも日本で小銭を儲けてないでベトナムで仕事をしよう、と言ったそうです。

何度目かのそうした誘いを受け、社長は実際ここ2ヶ月ほどベトナムに視察がてら行かれていたのですが、結論として、今行かない選択肢はないと確信したとのこと。

実際に弟さんの中には月収2千万円以上の人もいるそうです。
(月収ですから、年収に直すと2億4千万円です!!)

そして、日本でやっていたビジネスはあまり儲からないので、日本人に譲るとのことでした。
同じことをやるにも、日本では規制はうるさいし人件費は高いし、皆が節約ばかりしていて売上を立てるのも大変だとのことです。
単純に言って儲からないのです。

そのため、ビジネス面に限っての話ですが、30年前と逆方向、つまり日本からの脱出をすることになりました。

この話を聞いて、国としての成長・成熟フェーズの違いと言えばそれまでですが、日本がいかに魅力ない国になっているかを証明されたようで、残念に思いました。

これをご覧の皆さん、それぞれのお仕事を通じて是非一緒に日本を盛り上げていきましょう

*************************** まとめ ********************************

日本は目指す国ではなく、脱出すべき国になり果ているのかもしれない。
一緒に日本を盛り上げていきましょう。

***************************あとがき**********************************

盛り上がるという点では、W杯サッカーは盛り上がりましたね。
PK戦で敗退という結果はなんとも残念でしたが、一方で「実力で負けたわけではない」という気持ちが同時に持てて悪くないような感じもしました。