第79回 銀行の融資

  • レポート
  • 2012.01.31

銀行は、晴れた日には傘を貸すけど、雨降りには貸してくれない。
こんなふうに言われます。

実際その通りです。

私共でも、お客様から悩みを聞くことがあります。
・融資をお願いしたけど断れられてしまった。
・要らないのに「どうしても」というのでお付き合いで借りた。
つい最近もほぼ同時に別々のお客様から聞きました。

文句のひとつも言ってやりたいところですが、ここで銀行批判してもしかたがありません。
そうなっている理由があるからです。

自分が銀行だったら、、、と考えれば明らかですね。

銀行は、貸出先がどんなに儲かったとしてもわずかな金利しか取りません。
今なら中小事業者向けでもせいぜい2%-3%です。

つまりそれだけしか得ていないわけで、融資先が1社でも倒れると大変ですから、貸倒のリスクをあまり取れないのです。

これが投資であれば別です。
投資先が成功すればその分大きなリターンを得られますから、10社に1社、場合によっては100社に1社当たればあとは潰れてもかまわない、というスタンスが取れます。

こう考えると、銀行に対して、リスクはあるけどこんなに儲かります。
と言ってもあまり響かないことがわかると思います。
(というか、むしろマイナスに響きます。)

このことは、まったくの新規事業の資金の出し手に銀行を期待することはそもそも間違っていることも意味しています。

たまに、新しい事業アイデアを持って相談に見える方が、銀行融資をあてにされているケースがありますが、残念ながらそのアイデアが斬新であればあるほど難しくなっています。

この点は、いずれ起業をしたいと思われている方は特に、良く念頭に置いた方が良いでしょう。

*********************** まとめ *****************************

リスクある事業は、大きく儲かる可能性があっても銀行融資は難しい

*********************** あとがき ***************************

本論に入れようかとも思った最新の情報を1つ。
最近、新設会社の銀行口座が極端に作りにくくなっています。

以前は、謄本と印鑑証明を持っていけばすぐに作れたものが、昨年後半からは時間がかかるだけでなく、最終的に却下されることも珍しくなくなってきました。

気軽に近くの支店で行ったという場合にはほぼ確実にそのような目に遭っており、
慌てて
・本店所在地、代表者住所近隣の支店に申請
・給与振込口座のある支店に申請
・住宅ローンを借りている支店に申請
・銀行員の知り合いに紹介をしてもらう。
その他対策も複数してやっと作れた、というのが現状のようです。

状況は改善されないどころか、むしろ悪化している気配すらあります。

マネーロンダリング等の犯罪防止目的で指導が入っているとのことですが、まともに会社をやろうとする人にとっては迷惑な話ですね。

本論と合わせて念頭に置いておくと良いかもしれません。