第93回 TOC

  • レポート
  • 2013.03.29

TOC
五反田にある東京卸売センターではありません。

Theory Of Constraints(制約理論)
『ザ・ゴール』著者、エリヤフゴールドラット博士による理論です。

この手法で劇的に業績向上を果たした企業がたくさんあるのですが、説明に工場が使われるのでメーカー向けの理論だと思っていました。

たとえば、機械A→機械B→機械C、の流れで製品を生産する場合
機械A:1分間に12個加工できる
機械B:1分間に 8個
機械C:1分間に10個

この場合、最終製品は1分間に8個しか生産できません。
機械Bがボトルネックになっているからです。

この場合、AとCは休む必要があります。
特にAががんばると使いきれない在庫ができてしまいますから、まちがってもAの代わりに最新鋭の全自動マシンなどを導入してはいけません。

全体を伸ばすにはBを強化するしかないのです。

TOCは、
このボトルネックBを発見して強化する。
するといずれボトルネックがCとなる。
これを発見して強化する。
すると次のボトルネックが、、、と繰り返し、全体最適を目指す考え方です。

ボトルネックとは、その組織にとってもっとも希少な資源。
これを発見し、伸ばす。
あるいは無駄遣いしないようにする。
そして、それ以外の強化はしない。
(しても全体の業績には役立たないので)

これにより組織が発展していくのです。

組織のボトルネックとしては、
うちは営業が、
うちは開発が、
と色々あると思います。

ただ、会社組織にとって究極のボトルネックとして博士が最終的に発見したものは何でしょうか?

それは経営者の注力、要は時間だそうです。
経営者は雑事から距離を置き、全社的観点から意思決定をしていかなければなりません。
これはどんな小さな組織のリーダーも同じかもしれません。

TOCはメーカーだけに向けた理論ではないようです。

*********************** まとめ *****************************
会社組織にとって究極のボトルネック
=経営者の時間

*********************** あとがき ***************************

前も書きましたが、リーダーは雑事から離れるべきです。

とはいえ以前の私は、リーダー的地位にあっても率先して雑務に頭を突っ込んでいました。
その方がメンバーとも仲良くなって連帯感が生まれるであろうから、という考えからです。

でも実際はこんなリーダー失格ですよね。

リーダーとしてプロジェクトを任されても、コピーを取る、資料をさがしに行く、全部自分。
何かあるとすぐにその担当と一緒に問題解決に出かけていき、他のチームや担当からの相談を受けられない、上司にも報告しない。

うまく回っているうちは良いですが、複数の問題が同時に発生した場合には対応が難しくなります。

そんなあるとき、上司に言われました。
「ここをあまり動いちゃダメだよ。
何かあってもなるべく人に任せないと。」
「暇ならそこで本でも読んでれば良い。」

当時は極端なことを言われたな、と思いましたが、今は素直に納得できます。

若かったのでしょうね。
そういうことにしておきます。