第110回 伸びてる会社

  • レポート
  • 2014.08.31

税務調査に立ち会うと、調査官だけに聞かせておくのはもったいない話を聞くことがあります。

たとえば、「御社は同業他社さんより伸びていますが、その秘訣は何ですか?」というような質問。

調査初日の午前中にはよくあります。

そこで、社長は少し考えてから答えるわけですが、先日の社長はこう答えていました。

「常に工夫していることでしょうか」
それから
「うちは協力業者を大事にしていると思います」

前者は、
同業他社はどこも似たりよったりのことをしている中、自分はそこに常に別の視点を注入している。
つまり、差別化ですね。
この答えは想像がつきやすいと思います。
(ただ、どう工夫するかが難しいわけですが。)

一方、後者「協力業者を大事にする」を成長の理由として思いつくことは少ないかもしれません。
社長によると、しょせん業者だ、と雑な扱いをしていると、良い情報も来ないし、盛り立ててもくれない。

逆に大事にすれば、良い情報が集まるし、うちに儲けてもらいたいと思ってくれる人が増えて、結果として伸びる。
ということでした。

だから、自分だけが儲かるような無茶なことはしないし、多少のことでは必要以上にクレームをつけたりせず、極力丁寧に対応しているとのこと。

私自身、業者扱いされるのもするのも大嫌いなので、そうした姿勢の会社が成長していること、それもそれが原因として成長してるのは良いことだな、と思いました。

サラリーマン時代、いわゆる大手企業にいたことがありますが、そこでは同僚が半笑いで業者に無茶な要求をする光景を目にすることがありました。

一方的な仕様変更、無理な締切設定。
もう少し何とかならないか、という電話を一方的に切ったりして、
大企業のブランドを笠に着て、見ていて浅ましいというか、人間として最低だな、と思いました。

そんな対応を受けた人は、その人間個人はもちろん、会社のことも決して良く思わないでしょう。

今はしかたなく付き合うけど、できるだけ付き合わなくても済むように他社の仕事を受けようとすると思います。
盛り立てようなどと決して思わない。

そうした人間とは、友人としても付き合いたくないわけで、業者相手に上から目線でいることのデメリットは少なくありません。

今回は、お得意様にはもちろん、仕入先や出入り業者にも丁寧に接することが大事である、というお話でした。

**************まとめ**************

仕入先や出入り業者にも丁寧に接するべき

**************あとがき**************

先日、勤続12年の社員が退職しました。

駆け出しの頃、2番目に採用した社員である彼女は、ここ半年以上、体調が思わしくない中頑張ってくれましたが、やはり続けるのは難しいとのこと。

お客様にも社内にも惜しまれての退職でした。

私自身も新卒から、というかそれ以前の学生バイトの時から来てくれていたので大変寂しい気持ちです。

社員が、おじいさんやおばあさんになって振り返ったとき、良い所で働けたな、と思える組織を作るつもりで頑張ってきましたが、彼女にはこれを実感させてあげることができなかったと思うと悔いが残ります。

元気になって是非帰ってきてほしいと思っています。