第126回 ルール

  • レポート
  • 2015.12.31

12月は税務調査の立会が本当に毎週あって、毎日のように調査官と話をしていました。
もちろん電話1本だけの日もありますが、必然的に税務署の思考にいつも以上に接することになります。

そこで感じる最近の傾向として、なんとなく「ルールはルール」という対応。

背景には平成25年施行の国税通則法の改正があるのですが、以前のように、細かいところはどうでも良いので主要なところだけバッサリとやって話を付ける、ということが少なくなってきました。

税務署の担当者もやむを得ずやっている感じを受けることもありますが、要は細かいことかもしれないが規則ですから、と。

他の世界でイメージすると、時速40km制限の道路。

どの車も60kmくらい出しているが、少しやりすぎて70kmでつかまったらどうなるか。
10kmオーバーではなく、30kmオーバーで免許停止ですね。

もちろん運悪く(?)60kmでつかまって、皆やっていると言い張っても20kmオーバーであることは変わらない。

こんな話が税務の世界でもあります。

たとえば奥様に月8.5万の給与を出して年102万。
103万以内だから扶養の範囲というケース。

よくある話です。

しかし給与を払う以上、勤務実態が必要になります。
勤務実態がない人に給与を払うことは認められていません。

今月の調査では、月8.5万の奥様についてこんな質問をされました。
「どこでどのような業務をしていますか。」
「タイムカードはありますか。」

こんな質問をされた場合でも、答えないといけません。
タイムカードはなくても良いのですが相応の答えが必要になります。
その答えが「皆やっていますよね」はダメなのです。

私達が困るお客様からの質問やご相談で多いのが「皆やっている」「ネットに書いてあった」というお話です。

私たちはお客様を守る立場ですから、それを根拠に「それなら大丈夫ですね」というわけにはいきません。
最終的にはお客様のご判断ですが、少なくともリスクは十分に伝える必要があります。

「皆やっているかもしれないけど60kmで走ることは相応のリスクがあります。
本当に安全を取りたければ40kmで走ってください。」と。

もちろん、少額な話は調査の最終局面では落とされることも多いのですが、その場合でも調査官に対して借りを作ることになります。
こちらサイドが譲るべき範囲を広げてしまう。

ルールはルール。
いつも脇を締めておくべき、ということを改めて感じる12月でした。

いい加減なことをやっているとどうにもならないときがあります。
私達がお客様にお伝えするものの中には「細かいな」と思われるものがあるかもしれません。

しかし、私たちは税務署ではないので、それはお客様のためを思ってのこと。
ご理解いただくしかありません。

・・・と、改めて気を引き締めたところで、
今年1年どうもありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

*********************** まとめ *****************************

ルールはルール

*********************** あとがき ***************************

先日、お客様からの勧めで一級船舶免許を取りました。
合格率が高いと聞いて当初なめていましたが、講習を受け始めるとこれはまずいと思い結構真剣にやりました。

資格試験に挑戦して合格。
久しぶりの感触でなんかうれしかったです。

ちなみに次のような問題が出て、海図、三角定規、コンパスを使って解きます。
ちゃんとやらないとまずいな、と思いますよね。

問題
A船は、冬町南西方の星岬灯台を磁針方位305゚、日埼灯台を磁針方位020゚に見る地点から、 磁針路230゚、速力9ノットで航行を開始した。
この海域には、流向135゚(真方位)、流速2ノットの海流があるものとして、A船の実航磁針路及び実航速力を求め、次のうちから選べ。
(試験用海図第150号使用)

(1)202゚ ・・・・・・・・・ 08.0ノット
(2)207゚ ・・・・・・・・・ 08.4ノット
(3)212゚ ・・・・・・・・・ 08.8ノット
(4)217゚ ・・・・・・・・・ 09.2ノット