第129回 仕事はゲーム

  • レポート
  • 2016.03.31

先日、
『安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生』を読みました。

無一文からのし上がった安田会長自らによる著書。

面白くて、ここ最近読んだ中では最高にためになるお勧めの本です。
(「ためになる」、というのは特に営業や組織運営、会社経営を考えている人にとって、という意味で。)

ドンキが独自の路線で小売業の第一線にのし上がったのは、大幅な権限移譲にあったように見受けられました。
また、業界の常識にとらわれない考え方。
その根底にある、(ご自身隠さずに言う)他人へのねたみやハングリー精神。

ただ、それよりも印象に残ったのは
「仕事より楽しいゲームはない」という考え方でした。

安田会長は一時期、賭け麻雀等のギャンブルで糊口をしのいでいた時期があります。

生活をかけて必死にやっていたのでかなり強かったようで、少なくとも負けない境地に至った。
(私もへぼ麻雀をして昔よくカモられていましたが、その経験からすると、負けない人=最強の人だと思います。)

そして、これまでの仕事にも、そこで培った勝負勘を活かすことはできているものの
「しかしいくらそのような努力を重ねても、金儲けや生活はもとより、人生を楽しむ手段として、しょせんギャンブルほど効率が悪く、リスクの高いものはない。」
と考えるに至ったそうです。

それよりも
「仕事のゲームに勝ち得て成果を上げる喜びと満足感は、ちっぽけなギャンブルでの勝利の比ではない」
そうです。

私もいつも仕事のことをあれこれ考え、家でも夜中にPCに向かって何かしているのですが、それ自体を特段苦痛に思うことはありません。
(もちろん、トラブルがあったりすると家だろうが職場だろうが気分が重くなりますが。)

そんな自分について、ワークライフバランスとかなんとか言われている世の中、どうなんだろうな、と思うこともありました。

ただ今回、仕事はゲームだ、と言われ、あぁそうなのかな、と。

私自身ゲーム好きで、過去にはそれもあってゲーム会社にいたこともあるくらいなのですが、
(ただし管理部門にいたので直接ゲームの制作や販売をしていたわけではありません)

・アイテムやゴールドを手に入れ、仲間を増やして冒険する。
・領国経営をして家臣を増やし、兵の練度を上げて天下を目指す。
そんなゲームを時には徹夜でやりました。

でも今現在の状況をよく考えてみると、過去にやったどれよりも完成度の高い、よく作り込まれたゲームをしている気分です。

やったものは結果として現れる。
場合によっては、何ら期待する結果が起こらず、ゴールドだけが減る。

そんな中、今は仲間を増やしている時期で、
毎週会社説明会をして来春新卒の採用活動をしています。

「就活サイト」というアイテムを使うのですが、学生さんの反応が昨年比でこうなので、こうした方が良い。
「マイナビ」が、(というかそこの担当者)がヒントをくれるのでやってみるわけです。

すると、たしかにエントリーが増えて、説明会に来る人が増える。

説明会に来る人が増えれば面接の対象者も増える。
仲間の成長のためにも、今年は自分以外のメンバーに面接官になってもらおう。
などとやってみるわけです。

こうなると、仕事ばかりしているのだか、ゲームばかりしているだか、区別がしにく感覚になってきます。

この調子でドンキのように自分の会計事務所も成長すれば良いのでしょうが、実際は他の事務所の経営者や社長さん達も同じように一生懸命ずっと考えているのですから、そんなにうまいこといきませんね。

でも、仕事は最高のゲーム
そう思って夢中にやっていると、苦にならないどころか、面白く感じることもあります。

皆さんもそんな感覚を仕事に少し取り入れてみると良いかもしれません。
同じことをやっていても疲れない、楽しめるかもしれませんよ。

*********************** まとめ *****************************

仕事はゲーム。。。?

*********************** あとがき ***************************

本稿に付け加えます。

一貫して破天荒に見える安田社長の考え方と行動。

でも選ばれる言葉や発想など、その裏側に見識というか教養が見え隠れします。
そして、それは読書によるもののようです。

読書は結構お好きなようで、本業とはまったく無関係のジャンルのものも読まれている様子。

最近、私と同じ会計税務業界でもっとも成功されたと思われる先生(71歳)の講演を聞きました。
その先生も多くの本を読まれていて、今回ご紹介した本は、実はその先生のご紹介になります。

本から得られる知識や気づきは相当のもののようです。

だから、どんどん本を読みましょう。
良い発想やアイデアを得て生きれば、自分も周りの人も、ひいては社会も良くなるはずです。