第149回 調査官は公務員
- レポート
- 2017.11.30
税務調査官は国家公務員です。
当たり前のようですが、たまにお客様から聞かれることがあったり、古代ローマでは徴税を請け負って利益を得る職業の人がいたようなので、念のため書きました。
そうです。公務員なのです。
そして、これに着目して調査官になる人もいるようです。
税理調査に立ち会うと、調査官とは1回あたり、最低2日間は顔を突き合わせているので、合間に雑談になることがあります。
そのとき、
「なんで調査官になったんですか?」と尋ねることもあるのですが、その答えの1つが公務員だったから、というのも少なくありません。
中には、公務員だったらなんでもよかった、特段、税務行政にかかわりたいというわけではない、という人もいるわけです。
先日の調査官は、同じ公務員でも、どちらかというと消防官になりたかった。
とのことでした。
そこで
「え。まったく逆じゃないですか。
消防官といえばみんなの味方のような感じですけど、
調査官というと、どちらかというとみんなの敵みたいな。。。」
と冗談半分に振ると
「まぁそうですね。」
と苦笑しながら、試験を受けたのだが結果的には消防官になれなかったとのこと。
はっきりとはもちろん言いませんでしたが、不本意ながら受かった方の調査官の仕事についた、ということのようでした。
ただ、ここで疑問が湧くのは、消防官と調査官は隣接業界なのか?ということ。
みんなの味方かどうかは別として、私の中では調査官と消防官はまったく別の、むしろ正反対に近いくらいのお仕事です。
つまり、どちらかを迷うような関係にはないと思うのですが、公務員というくくりの中では隣同士らしいのです。
この感覚が違いすぎて、私としては、消防官になれなかった先日の調査官にはたしかに同情するのですが、同時に「大丈夫か?」と言いたくなります。
まだ若いですから経験も少ない上に、その程度の気持ちでやっている。
対する私はもう十分におじさんになりましたから17年。
それなりの気概をもってやっているわけです。
国家権力でカバーするにしても、もう少し志や気持ちを高めてこないと、勝負としてどうなんだ、と。
(正確には勝負でもないのですが)
もちろん、調査官の中には当然若くても切れ者もいるわけで、その印象とともに私の頭の中に残っている人たちもいるのですが、今回のような人たちもいるわけです。
今回は、公務員だからこそ起こりうる、私からすると不思議な現象をお伝えしました。
なお、意外かもしれませんが、今回のような調査官に当たると、むしろ私は警戒するようにしています。
「負ける気がしない」と気を緩めすぎて逆にやられてしまう心配があるからです。
*************************** まとめ ********************************
消防官の代わりに税務調査官になる人がいる。
***************************あとがき*********************************
公務員ならなんでもよかった、という調査官の中には、特に印象に残っている人もいます。
もう10年ぐらい前の話です。
九州出身。
東京の方が募集が多いから東京で調査官になった。
(このようなケースは珍しくないので、これ自体を私はどうこう言うつもりはありません)
その人も消防官も考えた、と言っていた気がします。
まだ調査官になったばかりの若い人でしたが、社長が、自分も吸うから良ければどうぞ、と灰皿を勧めたら、丸一日ずっと吸っていました。
私は吸わないので、寒い冬のこもった室内で、もくもくしながらレベルの低い調査をやられて、かなり参りました。