第14回 平成16年度税制改正について

  • レポート
  • 2004.03.12

平成16年度税制改正の要綱が平成16年1月16日(金)に閣議決定されました。 この後、国会における審議を経て、所要の法律が成立した後に実施されます。 (なお、適用は一般的に今年4月からになりますが、1月に遡って効力を持つものも含まれるため、適用時期については確認が必要です。)

このうち、法人関連税制について見てみると、今年度は昨年度の税制改正に比べ、企業の経営に大きな影響を与えるものはないようです。 昨年平成15年度の税制改正では、今年4月からの適用となる消費税関連の大きな改正(消費税の総額表示、免税事業者となる課税売上高:3千万円→1千万円、簡易課税が選択できる課税売上高:2億円→5千万円)がありましたが、今回は、1.欠損金の繰越控除制度がある程度、といったところでしょうか。

1. 欠損金の繰越控除制度等
現行5年の繰越期間を7年に延長  この改正は、平成13年4月1日以後に開始した事業年度において生じた欠損金額について適用されます。
2. 帳簿書類の保存期間
(現状でも7年とされるものが多いですが)現行5年とされている帳簿書類の保存期間を7年に延長   この改正は、平成13年4月1日以後に開始した事業年度に係る帳簿書類について適用されます。
3. 法人税に係る更正の期間制限について
①欠損金額に係る更正の期間制限を7年(現行5年)に延長する。
②脱税以外の場合の過少申告に係る更正の期間制限を5年(現行3年)に延長する。   (注) 上記の改正のうち、①の改正は平成13年4月1日以後に開始した事業年度において生じた欠損金額に  ついて適用し、②の改正は平成16年4月1日以後に法定申告期限等が到来する法人税について適用する。
4, その他
①連結納税の連結付加税の廃止
②資産整理に伴う私財提供等の欠損金の損金算入制度について、繰越欠損金額から資本積立金額を控除しない

なお、税制改正の詳しい内容は、財務省のホームページで紹介されています。