第16回 公開熱再燃の兆し
- レポート
- 2005.02.16
公開熱再燃の兆し
昨年まで業績を心配していた私共のお客様の中にも今年は調子を取り戻し、税金の心配をするところも出てきました。景気も少しづつ回復しているようです。
この波に乗って、というわけではないのでしょうが、ITバブルから数年経った現在、ベンチャーキャピタル(VC)さんの投資意欲もだいぶ戻ってきているようです。 弊社のお客様にも最近になってVCさん数社から公開に向けてのお誘いを受け、既に資本投下をいただく会社さんもいくつか出てきました。 公開は多くの選択肢の一つであるので、これがすべての会社が目標とすべきものとは思いませんが、会社として完成していく上での一つの形ではあると思います。 このような過程において、中小企業から大企業に否が応でもなっていくところに、楽しさと苦しさがあるようです。 会計税務に対する考え方も然りで、公開を前提とするのとしないのとではまったくスタンスが変わります。
公開を前提としない場合には、通常の場合、いかに税金を少なく(=費用を出す)かに注力することが多いわけですが、公開を前提とする会社では、税金は払ってでも利益をなんとか出して、安定成長をアピールする方向に意識を傾けます。 そして、そういう会社には、税務署(費用は後回しにして利益を出させ、税金を持っていこうとする主体)と監査法人(むやみに利益を出す操作を制限する方向に働く主体)双方が入って、ある意味、良いバランスが得られることになるわけです。
私共では、そのような会社さんの立場から、税務署・国税局の税務調査、時には、監査法人の短期調査・監査に立ち会うことがあります。 その感想としては、やはり、緊張感・迫力とも税務調査が監査法人の監査を少し上回る、というところでしょうか。
監査法人の先生方はいわば同業者でもあるため、お互いやりにくい面もあるのですが、どきっとするような場面になったり緊張感が高まるケースは(すぐに出て行くオカネに直結するからもあるのでしょうが)どちらかというと税務調査の方が多いように思います。
緊張感を楽しめるタイプの人であればたまらないのでしょうが、もともとそういう場面が好きでない私のような人間には、これが2日、3日と続くのが分かっているので、調査の連絡を受けると、かなりブルーな気持になります。 (終わってみれば、お客様との信頼関係の醸成や税務署の担当官の考え方の理解が深まるので、その度ごとに良い経験だったな、と思うわけですが。)
公開を目指す会社さんは、体制の整備や、会計の専任者を強化したりしていく過程で、お客様ご自身はもちろん、バックアップする私共も大変なことが多いですが、そのような会社さんを新聞や雑誌で見たり、そこの製品が店頭に並んでいたりするのを見ると、また違った満足感が生まれるのも事実です。
私達は様々な業界で活躍し、がんばっている会社さんを、これからもしっかりと支援できるよう、自ら精進し、がんばっています。