第17回 有限会社制度・資本金規制の行方について

  • レポート
  • 2005.04.10

来年平成18年から施行される予定の「会社法」がこのたび国会に提出されました。

これに併せて各種周辺の法律にも改正が行われるところですが、今回の改正でも大きな点の1つは、会社法が、これまで商法とは別に存在していた有限会社法も取り込んだ体系として成立する点です。

これにより、これまで中小企業に多く、一般に慣れ親しまれてきた有限会社もなくなることになります。  (=有限会社を新たに設立することはできなくなります)。

それでは、これまで有限会社で運営してきた会社はどうなるのでしょうか。これについて、新しい会社法では、これまでの有限会社も株式会社として取り扱われる、としつつも、既存の有限会社は、特例として商号に有限会社として存続できることとしています。

したがって、有限会社の商号を掲げたまま営業を続けたい場合は可能とされており、また、この措置は経過措置とされつつも期限が定められていないことから、当面有限会社での営業が可能ということになるようです。 (なお、商号を株式会社に変えたい場合は、これまで同様、有限会社の解散登記をして株式会社の設立登記を行えば可能、ということになっています。)  今後は、有限会社がむしろ珍しく、貴重になるかもしれませんから、現在、もしくは新「会社法」成立前に有限会社で営業をされている(もしくはされる予定の)会社さんも、あわてて株式会社への移行をせず、少し様子を見てみるのも良いかと思います。

この他の変更項目としては、資本金の下限額の制限がなくなる、といった重要なポイントも含まれています。  現在、確認株式会社・確認有限会社として、5年以内の一時的な状態として成立することが可能であった1円会社が恒久的に認められるということになりますので、これまで以上に創業が促進されることが期待されます。

また、会社法では、これまでの商法が漢字カナ交じりであったものがすべて現代語化されたり(これまでは、たとえば「株式会社ヲ設立スルニハ発起人定款ヲ作ルコトヲ要ス」等となっていました)、多くの変更があります。 今後も注目して、随時お知らせしていこうと思います。

(ちなみに、会社法案は法務省のホームページで最新のものを見ることができます)