第166回 おすすめ本H31

  • レポート
  • 2019.04.30

最近読んだ本の中から、ほー、とか、へー、とか思ったものを3冊ご紹介させていただきます。

私自身は小説も読みますし、面白いと思うものもたくさんありますが、ここで娯楽作品を取り上げても仕方がないかな、と思うので、御覧の方に役立ちそうな本という観点で。

 

1.私の財産告白/本多 静六/実業之日本社文庫

代表的なフィンテック銘柄である(株)マネーフォワード辻社長ご紹介の本です。

辻社長とは、何年か前にうちの事務所に来られてお話したことはあるものの、それっきりですから、たぶん新聞か何かで紹介されていたのを見たのだと思います。

著者の本多静六さんは明治に生きた昔の人なので、なんとなく読む気になれずしばらく買ったままにしておりました。

ただ、気が向いて読み始めたらなるほど。

財産形成を私はこうやった、
あなたもこうすべし。

決して奇をてらったことはなく、
むしろ普通の人ができる(はずのこと)ことが書いてあります。

たとえば
収入の1/4を天引きで貯金をして元手にしろ
とか。

どこかで聞いたような気もしますね。

ただ、この本を読むと、
この文の前に「どんなに苦しくても」が付いているのだな、と理解できます。

つまり、
「どんなに苦しくても」収入の1/4を天引きで貯金をして元手にしろ
です。

若いうちからこれを徹底するほど効果がありますから、たとえ手取りが10万円台だったとしても。

「斬新なITサービスの開発」などと比べると誰でもできるはずなのですが、なかなかできない。

今は改めて文庫化されて手に取りやすくなっていますから、ぜひご一読を

 

2.お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する
/ジム・ロジャーズ / PHP新書

まずアマゾンの紹介記事から
「ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び「世界3大投資家」と称されるジム・ロジャーズ。
ソロスと設立した「クォンタム・ファンド」は、10年で2400パーセントという驚異のリターンを叩き出し、伝説となった。
本書は、そんな「投資の神さま」ジム・ロジャーズが、日本の読者に向けて特別に語り下ろした1冊である。」

この通り著者は、世界各国を自分で足を運んでどこに投資すべきかを常に考え、多くを当ててきた世界的投資家です。

ではこの人が次に来る世界最大の成長期待エリアをどこと考えているか?

なんと北朝鮮&韓国です!

え!?

両国は近いうちに統合されるだろう。
そして、人的資源・天然資源の豊富な北朝鮮、経営能力がある韓国により爆発的な発展・成長をするだろうと言うのです。

韓国は、もともと人口5千万しかないところに最近出生率が1を切り、急激な人口減少局面に入って国家存亡にもかかわる状態。
経済でも今年の1-3月は、2008年のリーマン・ショック以来最低のマイナス成長となっています。

表面的に見たら日本以上に成長期待に乏しいのですが、北朝鮮と統合したらたしかにものすごい成長をするかもしれません。

北朝鮮は(誰も貸してくれないからですが)対外債務はなく、若い女性も多く、低賃金で働く真面目な国民がいる。
韓国とはもともと同じ民族だから融合もしやすい。

なるほど。

とはいえ、なかなかアメリカ人の著者に適当な投資機会がないようですが、大韓航空などには徐々に投資をしているとのこと。

さらに親日である著者は次のように書いています。
「私が日本人の若者なら、どの国に移住するか
-韓国か中国、あるいはコロンビアかベトナムへ行くだろう。」

え!?

 

3.ビッグ・クエスチョン〈人類の難問〉に答えよう
/スティーヴン・ホーキング

昨年亡くなったホーキング博士の本です。
日本では今年3月発行の最新刊。
いくつかのテーマに沿って、数億年の単位で壮大な宇宙の歴史から現在、そして未来を俯瞰しています。

・宇宙はどのように始まったのか?
・タイムトラベルは可能なのか?
・人間は地球で生きていくべきなのか?

などの壮大なテーマについて語られています。

1つ1つも興味深いのですが、
読んでいるうちに自分の周りで起こる細かい問題は気にならなくなり、
逆に、奇跡的に今、自分と触れ合っている人達と過ごす時間は極めて貴重なのだな、と思うようになりました。

まず、地球が太陽系の今の位置にあって、大気をまとい、水が液体で存在するのに絶妙な質量と温度を維持していること自体が奇跡。

その地球上で、宇宙の起源から考えると、自分の人生は一瞬以下なのですが、その一瞬以下の人同士の人生がクロスするのは、さらにものすごい奇跡としか言いようがありません。

家族や友人、職場の同僚だけでなく、お客様や取引先の方々もそうです。
朝、駅ですれ違った人だって、ものすごい確率で同じ時間、同じ場所にいるわけです。

一般相対性理論など難しいことも出て来るのですが、読んでいてなにやら気分が大きくなりました。

細かいことがすぐに気になってしまう方は特に、お読みになると良いと思います。
(あ、でも博士は地球の将来は心配だから他の惑星への移住を真剣に考えるべきとも言っています。
そこをとらえてクヨクヨすることもできますから大丈夫かな。)

 

*************************** まとめ ********************************

H31のおすすめ本は、

1.私の財産告白 /本多 静六
2.お金の流れで読む 日本と世界の未来
世界的投資家は予見する /ジム・ロジャーズ
3.ビッグ・クエスチョン 〈人類の難問〉に答えよう
/スティーヴン・ホーキング

***************************あとがき*********************************

2020年4月新卒の採用が終わろうとしています。

インターン募集から今年入ってからの会社説明会やら面接やら、なんかあれこれやりました。
有望な良い若手が採用できたから良かったですが、あー疲れた。

そんな中、今度は2021年4月新卒向けの募集ページの原稿を早く入稿してください、と就活サイト運営会社から催促が。

 

令和3年4月入社の新卒採用。

フィクションのような響きがします。
まだ実感が湧きませんね。